週の後半は、時間の海を泳いだ。講義や演習、委員会、学生、院生指導や、事業関連の打ち合わせ。本人はそれなりに真剣だが余裕のない時間の曲芸飛行みたいなもの。他人が聞いても滑稽なだけか、ボアリングなもの。止めておこう。
長野県松川町のMさんから案内が来ていて注文した『長野県公民館活動史Ⅱ』が届いた。ずっしりと重い。総頁499頁の大部だ。思うに、公民館や社会教育、青年団、女性団体などの活動史についてもっとも多くを刊行している地域の一つは長野県・信州地域だろう。僕の手元にも、時を重ねてみるとかなりのものがある。地域の学びを支える地道な活動を営々と行ってきたこの地域の先達や同輩の方々から学ぶものも多い。この夏に少しずつ読む本の一つだ。
この間、夏の日程調整をいくつか行った。
飼っている犬の世話があるので、連れ合いと僕の両方が家を空けることを避けるように努力しているが、時々避けがたい場合がある。そういうときは、ペットシッターの方に有償でお願いする。朝夕の散歩とその際の排泄、一日二回の食事が日課だ。規則正しい日々を我がS君(シロー)は送っているのだ。家の周辺を散歩している方々の連れ犬は、和犬、洋犬を問わず、殆どが由緒正しき血統の持ち主のようだ。だが、シローは連れ合いが知り合いから譲り受けた洋犬の血が混じった雑種の中型犬。かえって珍しいのか、注目される。・・・(まずい。犬の話になってしまった)この夏は、連れ合いが愛知での母親大会参加にあわせて、短期間てんこ盛りの計画を練っていたのを、幾週か前に目にしたような記憶がある。連れ合いが出かけるその数日間は、僕もシローとともに規則正しき生活を送ることになるであろう。(?)
今年の夏は、比較的遠出は少なそうだ。来週の日韓シンポの開催も、この地で行うし前後の調査やイクスカーションもまだ授業のある時期なので、宿泊は無理だ。少し遠い調査地の場合も日帰りだ。8月後半の社会教育研究全国集会は、18年ぶりにこの地で行う(1990年のそのときは僕はこの地域の住人ではなく、当時小学生だった娘を連れて、旅行を兼ねて本州から参加した)のだが、その準備などもあり、留守をさけなくてはならない。従って、直前の東京での研究会もダブルヘッダーで(古いなこの言い方)参加しての日帰り日程を組んだ。同時期に例年参加する教職員関連の研究集会は、今年は参加を取りやめる連絡をずいぶん前に行った。恐らくは、8月後半の京都での学会参加が唯一の遠出になろうか。
夏といえば、少年時代の甘酸っぱい記憶か、大人になってからの多様な旅の記憶、アウトドアの体験記憶と重なる。いろいろな場面での海水浴の浜辺、プールサイド、川遊び、夏まつり、花火、高原のお花畑、暑さを避けての早朝・夕暮れの釣りの場面、外国の地の夏の風情などだ。家族や友人と一緒だったり、孤独に一人でいたりと、場面は多様だ。保存されているアルバムには、撮影時点は異なるが、そういう時の自分の姿がいくらか残っている。それにしても、近年は、そういう機会が減っているように思える。アスピレーションが低くなっているからだろうか?
少年時代といえば、多くの人が連想するのは、井上陽水の同名の作品「少年時代」だろう。たしか、90/91年頃の作品だから、僕はもう40代にさしかかった頃だ。僕もその情緒を理解し好むが、1980年前後頃に生を受け、現在30代後半くらいの諸君がその「少年時代」に、この歌に接したほどには、人生の心の中に一体化していないかも知れないと思う。そうしてみると、僕の一番大好きな夏のうたは何だろうか?・・・そしてあなたにとっては?
数年前のフィンランドの夏の短い旅の写真をつけておこう。国際学会での報告、湖水のクルーズ、学会デイナーの後の自由交流会、タンペレのレーニン博物館、産業史博物館などの訪問、また北欧神話を思わせる教会の天井の蛇絵、北の光を入れる独特の絵紋様のステンドグラス、などが思い浮かぶ。その後で、ヘルシンキに移動して、連れ合いの日本からの到着を待ってまた旅したのだ。そういえば、偶然だが、今日は、僕はそのときに求めた、シベリウスの横顔をとらえたコンテ絵のTシャツを着ている。
そういえば、その後に、息子が当時在学していた東京の大学が締結していた外国大学との協定事業を利用して協定大学であったスウエーデン・ヨーテボリ大学(Göteborgs universitet)への1年間の短期留学を行った。いつも折りに触れて語っているので、彼にとっても良い経験だったようだ。僕は、励ましを含めて北欧諸国の旅をと考えたこともあったが、実際には(多忙もあったが)、息子への滞在費等の仕送りを超えての経済的余裕などなかったな。ほろ苦いね。このあたりの事情は。
さて、今日は、仕事の合間に、久しぶりに体を動かすために泳ぎに行くか。
p.s.
今晩、この春に関西の国立大学に進学した連れ合いの娘が、後輩諸君が行っているこの週末開催の高校祭をのぞきに帰省してくるらしい。数日前の突然の電話だ。とはいえ、家には深夜到着で、明日高校祭を見てからすぐまた関西に戻っていく予定という。まあ忙しいのは大人ばかりではないらしい。
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