東北地方太平洋沖大地震・津波の犠牲者、被害の実相が分かるにつれて、「3.11」は、今後大きな転換点になることは間違いがない。
地獄絵のような被災地の惨状、繰り返し報道される津波のすさまじい破壊を示す映像は、まだ実際にその場にいる人々の恐怖や悲しみに比べれば、その一部に過ぎないのかもしれないが、もう見たくないという気分になる。
(震災当日ウエブ報道資料より)
少しでも救済の手をと思う。何よりも、被災された当事者の方々の声を聞くことが重要だ。
僕自身、昨日妹から電話をもらって蒙をつかれた。そうだ、妹の夫の0さんの実家は、釜石だったのだ。しかもOさんの両親の安否が不明で、金曜から、いてもたってもおられず、案じていると聞いて、あらためて気持ちが沈んだ。
色々な情報が飛び交い、安否については、多くの犠牲者がいるなかで、仙台や福島、青森の友人たちは、家財に何らかの損害を受けているが、命に別状はなかったと聞いた。僕にとっては、少し安心する情報だった。それでも、電話がつながった福島のAさんは避難所で3日間を過ごしたと聞き、その詳細を聞くと大変な思いだ。
そのような人たちが、今、東北各地の避難所で45万人もおられる。家族の再会ができた方たちも中にはいるが、そうではない方もおられるのだ。
お一人お一人が不安と寒さと絶望感や悲しみをこらえながら過ごされていると聞くと、当方などは、申し訳ないような気持ちになる。
僕の同僚にも東北出身者が多い。そのお一人が、金曜日3月11日から、心がざわつき、落ち着かないと、言われたのが心に残る。
昨夕は、組合の分会・班の送別会。アルコールや料理抜きで紅茶とコーヒーで送別会を行った。予定した経費は、地震・津波の災害義援金にあてることにしたのだ。皆、2人の退職者へのはなむけの言葉を静かな雰囲気で行えたことは良かった。
市民組織も何ができるか相談が色々な場で始まってきている。僕にもそのような案内がいくつも届くようになってきている。高校生、大学生、若者たちは自発的に街頭で募金を始めている。
何ができるか。小さなことからはじめなくてはと思う。
募金もそうだし、衣服、毛布、などもそうだ。
家人は、防寒着や毛布のきれいなものを出すべく整理を始めている。救援の体制が整えば、時間の余裕のある学生たちはボランテイア活動支援もあるだろうし、特殊技術や知識があれば、それを生かすこともあろう。財のある人は、それを少しでも拠出してほしいものだ。
無論、震災後の救援、復旧については、国家・政府の責任は大きい。
とりわけ、福島原発の炉心溶融による放射能もれへの対応は、政府の危機管理能力が世界から注目され、試されている。ところが、これが、こんなことを書きたくないが、お粗末なのだ。
まず、事態修復の責任を、東京電力と経産省系列の機構(原子力安全・保安院)に任せて、そのシナリオで官房長官が説明するというやりかたがまず、ボタンの掛け違いの始まりだ。しかも広報は、経産省の原子力安全・保安院広報部だ。情報開示の透明性や危険の把握に関する第三者性がない。企業は当然ながら経営を思案し、安全についてはそのバランス上で考える思考パターンにはまってきた。しかし、今は平常ではない、危機の事態なのだ。何よりも安全が第一優先だ。それが、多分、廃炉にするかどうかの迷いがあったのだ。それで、初動が、遅れたのだ。あとは、悪夢のスパイラルが始まってしまった。
利害のない第三者の専門家参加による政府の早急な対応こそが政府のリーダーシップなのに、それをしていない。後手後手の情報開示と不手際が目立つ中で、起きてはならない放射能汚染被害が現実的なものになってきている。悪夢だ。事態が最悪のシナリオへ動くのを座視しているだけでよいのだろうか。国民は何も知らない素人だとばかり、情報を小出しにする愚民視行政を怒りをもってやめさせなければならない。どうしたらよいのだろうか?
皮肉なことに、米軍は放射能の危険を熟知しており、空母と他の艦隊を風下から遠ざけたり、支援に向かったヘリコプターを引き返させている。日本政府は、ひたすら落ち着け、安全であるを強調し、米軍は危険を怖れて近づくのを避ける。どちらにリアリテイがあるのだろうか?
フランス政府は、同国人の関東地域から離れること、日本への旅行の中止を勧告している。
日本には、すぐれた専門家も技術者も、いないのではない。そういう人たちの力が活用されていないのだ。
ともかく、我々市民は、少しでも何かすることだ。できることは小さなことからだ。
そして、大きなリスク管理と安全性確保は、国・政府がそのリーダーシップを発揮すべきで、企業の思惑や、軍の秘密に及び腰であってはならないはずだ。
中国政府も福島、茨城などの県にいる中国人に対して、本人希望で帰国して避難しようと呼びかけ、何らかの措置を取っているらしい。って、福島原発の問題は新聞メディア報道より深刻ではないかと懸念しております。
投稿情報: lee | 2011年3 月15日 (火) 16:10
初めて見ました。「北の地から光をもとめて」いいですね。
私のHPにもリンクを貼らせていただきました。
よろしくおねがいします.
私もHP(http://iscc.jp)で被災地・被災者救援と復興、それに反原発のキャーンペーンを貼っています。ご笑覧くだされば幸いです。
投稿情報: 森川貞夫 | 2011年3 月22日 (火) 02:41
森川先生
お立ち寄りいただきありがとうございました。僕も時々先生のHPを拝読しています。
Y.A
投稿情報: 北の光 | 2011年4 月 1日 (金) 23:20
leeさん
時々コメントいただきありがとうございます。中国に戻った留学生、研修生、就労生たちの総数は9000人を超えたと報道されています。安心な日本に戻れるように皆で復興を進めなくてはと思います。
Y.A
投稿情報: 北の光 | 2011年4 月 1日 (金) 23:25