サミット狂想曲も終わりに近づいたのか、今日は昨日と打って変わって警備の警官が街角から消えた。通常の時間に戻ってきたのだ。
取材のヘリが少なくなってきて、ドクターヘリが大学付属病院に舞い降りる日になった。これは普段のペースに戻ったということの証左であり、僕としては歓迎することだ。多分、この地の新聞のいささか浮ついた記事ほどには、他の地域は興奮した記事を載せていないだろうなと思う。
大学では、今日は通常の大学院演習だった。ポスドク専門研究員の韓国留学生のSMさんの報告。クラークの『高等教育システム論』の講読だ。今日の検討を終えれば、多分来週で読み切ることになろう。80年代に書かれた状況と21世紀の現段階との落差がしばしば話題になる。大学は激変期だ。
昼休み時間は、大学教員公募に応じている社会人で博士後期課程のNさんの応募書類のチェックを行いメールを送信。さらに一日とおかず、早くに返信が来た英国のL大学のJ教授からのメールへの返信書き。彼は、ホテルをすでに英国から手配して予約したとかで、こちらが仮押さえしたホテルには早速キャンセルの電話を入れる。また、ようやくそれが終わると別の事務的な電話のやりとり。さらに、院生協議会のNさんとK君がやってきて、日韓シンポや7月末の大学院説明会、9月の英国研究者との交流のことで、打ち合わせを行う。それが終わって、ふと時計を見ると、もう2時近くになっている。昼を抜こうかと一瞬思ったが、やはりその方が不摂生だという健康記事を思い出し、かつ胃が反応して昼食を求めている。とりあえずは通常コース選択の一つである生協食堂に行って遅い昼食。今週は、アジアフェアとかで、いくつかお奨め食がある。僕は、今日は、インド野菜カリーとレーズンヨーグルトの選択。
食後は、研究室に戻って、蒸し暑い中を、建物改修工事(耐震工事)に向けた今月末に迫った引っ越しのために、不要な個人情報や入試関連などの書類のシュレッダー処理、廃棄する書籍や便覧類のひもかけを淡々と行う。意外に時間を食う作業だ。生産性の伴わない肉体労働だ。午後4時には、博論予備審査論文の改訂作業でMさんが来室。ひとしきり、やりとりしながらその研究指導を行い、5時を過ぎる。再び、部屋の引っ越しのための作業を再開する。暑いが、エアコンはない。いい加減もう止めようと思い、時計を見ると7時。今日は、幾分早めの帰宅にする。構内を抜けて、サミット関連行事のために置かれた案内などの飾り付けを片付けている作業の人々を横目に、帰路を急ぐ。
数日前は、「七夕」だった。しかし、それすら殆ど意識せず、夜空を眺めることもなく、暮らしている。情けないことだ。忘れている生活の情緒を、いささか取り戻すこと。
この地に来て間もない頃、9月はじめに、小樽のドリームビーチに行った。もう海水浴場の店は営業を止め、若者のウインドサーフィンの姿と浜千鳥、それに少人数の若者が群れて遊んでいるくらいの寂しい浜辺だ。
また、数年後は、夏の佐渡に行った。フェリーの横をカモメが追尾し、ゆったりと泳ぐように空を舞っている。そういう自然と時間をシンクロナイズさせることが今の僕には必要なのかも知れない。
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