週末土曜日のの「社会教育研究全国集会」の景気づけを兼ねた実行委員会のセレモニーパーテイや二次会での酔いが残った昨日の日曜朝、ゆっくりする時間もなく、まずは、シャワーを浴びて気分を変えた。
予定を再確認した。仕事が入っている。東京に向かう日程がある。予定の確認は、誰もがすることだが、僕の場合、かつて二日酔いで、うっかり予定を失念したことが一回ならずあった。航空機や列車のチケットが無効になったことが過去にあって以来の習慣だ。(トホホ・・)
G8サミットの開催もあって、この数日来札幌駅は無論新千歳空港も、厳重な警備と検問体制のレベルがさらに引き上げられ、不審人物チェックは物々しい限りだ。とくに日曜からは要人が入国し始めるとかで、ピリピリした緊張感が警官たちに感じられる。空港に早めに向かったのは正解であった。金属探知も徹底的だ。今回は、あらかじめそういうことも織り込み済みでパッキングも服装もそういうことに引っかからないようにしたので、割とスムーズに搭乗できた。いつものドジさを考えると、上出来だ。まあつまらぬトラブルで不愉快になることを考えればいたしかたないか。羽田も同じように、要所要所のお立ち台に警官が立っている。セキュリテイのビデオカメラは、フル稼働だろうから、この日の移動で僕は、一体何台のカメラに写っていたことか。
昨日は、夕刻近くからの編集会議だった。荷物もあり、事前にホテルにチェックインした。少し身軽になってから出かけることを考えてのことだ。今回は、月曜日・今日の研究会の開催場所と帰りの利便性を考えて、羽田空港にアクセスしやすいS駅近くの大きなホテルにした。このホテルは割とよく使うが、確かに利便性は良い。外国人観光客や、航空会社乗務員などの多いホテルだ。出入りが多いだけに、治安はどうなのだろう?このあたりは、良く分からない。
左はホテルからのS駅周辺の情緒なき風景。
水道橋に本社のある出版社での編集会議がこの日、日曜日の仕事。この日は、ドイツに出張中のT氏を除き、7人のメンバーと編集部の二人の参加。例年の会議だが、今年は法改正も多く、頁数のスリム化も課題。それぞれの置かれている立場やネットワークの関係での情報も多い中で意見交換。内容は、無論書けないことも多いので、ここでは省略する。さらに、数年来の懸案であったこの分野のガイドブックの刊行についての最終確認と締め切り(8月末厳守)を確認して、散会。これは、絶対厳守のデッドラインなので、肝に銘じる。帰りの水道橋駅のホームで、編集会議に出ておられたH大のK先生と立ち話。僕の10月後半からの2ヶ月くらいのサバテイカル研修のことを聞かれた。H大は、延長すれば2年。20年以上勤務で、定年までいれば、計4年とか。確かに、AさんもHさんも2年だなと思う。経費も付いてと聞くと、今や私立大学の方が(大手に限るが)国立大学よりも条件が良いのかも。とはいえ、他所の芝生をうらやんでも詮方ないこと。電車を乗り継ぎ、ホテルに戻ると10時。今日は、近くのK市で働いている息子には、会う余裕がないので、携帯のメールでその旨を送る。小腹が空き、ホテル近くのラーメン店(客に外国人の航空関係乗務員が多い)で麵を食す。やせないな。これでは。
寝る前に、月曜の研究会の使用文献にもう一度目を通す。東京は、夕刻から小雨模様。蒸し暑い。環境のことを考えるが、やはり部屋のエアコンを消せない。(ゴメン)
月曜の朝、空模様は今ひとつ。せめて、シャワーを浴びてすっきりさせる。ホテルの案内では、6つのレストランが選べると言うが、今日の気分は、和朝食。選んだレストランで出たのは、金目鯛の煮付け、粥、香の物、岩海苔。まあ、ヘルシーメニューではあろう。
チェックアウトが11時という。13時から研究会。六本木の新国立美術館で、60代を過ぎてから絵画を始めた老女性アボリジニ作家の作品を展示していると、幾週か前のNHK教育の「新日曜美術館」で案内していた。興がわくが、やはり気ぜわしい。無理と考えて、文献を読み継ぐ。チェックアウト後も、カフェで読み継ぎ、軽めのランチの後で、研究会会場へ。
向かったのは、大崎のR大での研究会だ。手弁当の自主的な研究会である。遠方にいる僕の上京の都合に合わせた研究会日程にせざるを得ない。今回は、ウイークデイの午後となって、参加の条件は良くない。申し訳ないことだが、これは選択の余地がなく、いたしかたなしだ。今回は、メンバーのMさんに加え、CH大の学生のNさんが新たに参加。本日のテーマは、教育法学の学的独自性を築く上での主導的な位置にあった、都立大の兼子仁名誉教授のこれまでの役割と現段階での評価が中心的課題。我々が受け継ぐべき内容と示唆されることが多い業績なのだが、80年代から現代にかけて、その批判的論者たちも現れ、その影響は若手にも強いことから、それらの批判の有効性の可否と問題性もあわせて検討課題。無論、これらは今日だけで片付く問題ではなく、いくつか検討課題を確認して、次回の研究会日程を確認して散会した。
帰りの便に合わせて、列車を乗り継ぎ、出発時間には何とか余裕で間に合った。ただし、SCHT空港近くは視界不良で、羽田に引き返すこともあるという条件付きでのフライトだ。
確かに、飛び立って見ると、二重の雲海だ。上空にはびっしりと敷き詰めた柔らかな羽毛布団のような真っ白な雲海が地平線まで延びている。飛行機はしばらくその上を飛び、やがて降下を始めるとその雲海に突入していき、それを突っ切ると中空の空間が広がる。ずっと下には、灰色の雨雲がこれまたびっしりと浮かんでいる。さらにそれに突入し、潜っていくと何も見えないまま飛行が続く。ようやく、着陸直前になって誘導路が見えた。今の時代は、恐らくは電子制御の誘導装置やレーダーなどがあり、管制塔からの指示もあるのだろうが、昔ならばやはり着陸は無理な雲海だったなと素人考えをもった。窓からちらと見ると洞爺湖サミットに集合するVIPたちの特別機の機体が10機程度見える。
明日火曜日は、洞爺湖会場のウインザーホテルに全首脳が集まって終日討議をするという。中国、インド、韓国、アフリカ諸国も参加している。しかし、地球環境、貧富差、などの人類的な難問の雲海をこれらのG8首脳が見事に吹き飛ばすような解決策を示せるとはとうてい思えない。そう思うと、サミットなるものは、なんたる資源の無駄使いと環境の破壊であろうか。たまたま、機内で手にした東京新聞の山口二郎氏のコメント(殆ど死に体のレームダックの集まり)が、苦い余韻を残す。
さて、明日は早い。フル回転の日だ。気持ちを切り替えてまた一歩だ。
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