10月31日(日)
前回書いたように、10月31日に日本を出て、時差の関係で、同日中に英国リーズに着いた。
ロンドン、キングスクロス駅からリーズまでは、日曜夕方の列車だったせいもあって、超満員で、ニューアーク・ウエストゲートまでは立っての移動だった。リーズ駅のマークス&スペンサーのスーパーで軽食や水などを購入してホテルに着いたときは、家を出てから25時間近く時間が過ぎていた。
無事ホテルのチェックインも終えたが、ジェットラグもあり、シャワー入浴の後に眠りにつくが夜間に幾度か目覚めた。
明け方、は7時半頃にならないと明るくならない。ウインタータイムになったばかりであるが、英国の晩秋は冬へ駆け足だ。ただし、この週は比較的温暖な気候のようだ。
ホテルの部屋は、この春2月に泊まったときよりも少し、内装が改善されてきているようだ。このホテルには、過去20年にわたり、随分と泊まってきた。
11月1日(月)
ホテルの全景
use of literacy の著者リチャードホガートもこの眼下の街に生まれ育った。
リーズ大学が赤煉瓦大学ゆえんたる初期の建築物。
小雨もあるようだが、大丈夫そうだ。朝食後、リーズ大学に向かう。社会科学・法・教育学部学長のジェレミー・ハイアムさんに会う約束になっている。彼とは、日英両国で幾度も出会い、交流してきた友人の一人だ。
この日は、①2010年5月総選挙後の連立政権によるの教育政策の変化、②新学部長としての部局経営統治の方針、③大学の地域貢献の現況、④H大学との交流協定のバージョンアップするための課題などを話した。
とくに①については、高等教育・大学の予算削減と授業料値上げの深刻な政策変化についての詳細と文脈を聞いた。ここでは、詳しくは述べないが、実施されると1963年のロビンズレポート以来の大改革になるという。(1988年教育改革法、1997年のデアリングレポート以上の変化が、財政的に生じるという)現行3400ポンドの授業料(フルタイムの学部学生の場合)をこのままでは、最低6000ポンド(滞在中のニュース報道などでは、9000ポンドの提案がされている)になるという。また、教育補助金カットでは、学問、学部を4分類して、人文社会科学系、芸術、外国語教育、近代言語学系は、100%削減されるという。減額された穴を、学生の授業料で埋める提案である。当然に、大きな政治的争点になっているし、さらにその勢いは拡大する気配だ。その他のことについては、ここでは省略する。
*なお、帰国後、授業料値上げに抗議する学生運動は激しく、保守党本部にデモが押し寄せ、一部は暴徒化したとBBC放送は伝えた。しかし、そうしたショッキング映像だけではない、国民の怒りはこの先どうなっていくのか。注視が必要である。
例えば、全国学生連合(NUS)は、5万2千人のデモを行ったことと、平和的な抗議行動を一部の参加者が暴力的なものに変えようとした動きと全体の意思は別であることを明らかにしている。http://www.nus.org.uk/
http://www.bbc.co.uk/news/education-11726822
http://www.thecep.org.uk/2010/11/10/the-english-are-revolting-tuition-fees-are-a-tax-too-far/
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/education/3013272.stm
http://www.timeshighereducation.co.uk/story.asp?storyCode=412760§ioncode=26
インタビュー後は和やかな写真となった。
ジェレミーとのインタビュー後は、新しいアドミニストレーションのカフェバーで軽食をとった。
カフェバーの上のlifelong learning centreをざっと見て、中にいたMJ(かつての成人継続教育漠部でライブラリアンをしていた)とも話をした。
午後2時には、キース・フォレスターさんと打ち合わせの約束だったので、それまではイングランドやこの大学が初めての訪問となる院生や同僚に学内を案内した。
lifelong learning centreで今は働いている元ライブラリアンのMJと久しぶりに会って再会を祝した。
2時には、キースと再会を祝して挨拶をかわし、約束場所が学生の声や、イベントで騒がしかったので別の場所に移動して1週間の予定の詳細な確認をした。また、キースには、ジェレミーの話の補足というか、現今の国家政策や高等教育、成人教育への批判的コメントを頂いた。
キースとの話し合いを終えると、周りはすっかり暗くなった。
この日は、ホテルに向かう途上で、インドレストランに行き、調査メンバー皆で夕食をともにした。インドビールや、カリーの多様なメニューを味わった。相互の交流ができて、和やかで楽しいひとときであった。
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