2010年暮れは、12月27日まで会議などが続いた。いわゆる御用納めは28日。
暮れも押し迫った28日から31日まで、私的旅行で北陸(富山・高岡、金沢)旅行をした。実は、予定していた近隣国の旅が、予約がとれず、国内旅行に切り替えたのだった。北陸を選んだのは、還暦の年の最後に、幼少期を過ごした地を再訪しようという、いささかセンチメンタルジャーニーの思いもあった。
行きは直行便で富山空港、帰りは、富山空港から羽田乗り換え経由での便だった。旅の間は、西日本から北陸は雪模様であった。北海道の雪とは異なり重く水分が多い雪である。足下はぐちゃぐちゃで、難儀したが、滞在期間の動きに支障はなかった。行った場所では、ほぼ50年ぶりの再訪の場所もあった。
28日、滞在したホテルから高岡古城公園をのぞむ。鳥ウイルス騒ぎがあるようで、野鳥は城堀池にはいなかった。高岡旧市街地の旅館や住宅などは、地方都市のさびれを反映してわびしいたたずまいも目立った。ただし、その分、観光ずれせずに残っている町並みもあり、金沢や富山とも違う雰囲気があった。僕はこの地域で、11歳まで過ごしたのだった。
幼少期には大きく見えた大仏が意外に小さいことを自覚した。
この後、古城公園、射水神社を歩き、旧市街町並み、金屋町の骨董屋、工芸店などを散策した。
高岡市内には、本丸町、鍛冶町、木町、金屋町、など城下町時代の町名が残っている。
この日の夕方は、近くの炉端焼き店で地の山海の食を楽しんだ。
29日は、金沢に動いた。特急で20数分である。あいにく、多くの美術館等は休館であったが、兼六園、金沢塗、輪島塗工芸店、加賀友禅館、武家屋敷町並みなどを細君と歩いた。足下が濡れて気持ち悪く、デパートで防水ブーツシューズを求めた。
金沢駅もしばらくぶりに行くと大いに変わっていた。
残念ながら21世紀美術館は休館日。
兼六園内の霞池。薄く氷が張っていた。
茶屋。甘酒で一服。
加賀友禅の歴史、技法、制作過程などが分かるようになっている。商品も一部展示即売している。
金沢駅に戻って、夕方は、石川・加賀の食を楽しんだ。その後、ほろ酔い気分で、高岡に戻った。
30日は、レンタカーを借りて、高岡市内、小学校高学年と中学1年途中までいた伏木地域を探索した。また、今は富山大学芸術工学部になってしまっている小学校低学年時代の地域もドライブした。さらに氷見市まで足をのばし、氷見漁港、海鮮市場、等をめぐり昼食。午後には、高岡市内の小さな温泉、岩坪温泉に行き、地元のなまりなつかし雰囲気を味わった。伏木では、小学校、中学校、中伏木の渡し跡、伏木の古刹寺を訪れ、かつての時代を思い出したりした。
今は、重要文化財となっている雲龍山・勝興寺である。小さい頃は、草野球の場所として僕は戯れていた。大改修の最中である。この日は、寺の案内に出ていただいた方は、僕の小学校の同窓の方で、教えていただいたN先生の消息なども伺った。
木造だった小学校校舎は改築された。それも随分と昔のことだ。あたりのたたずまいはどことなく、昔をしのばせるものがある。
氷見漁港近くの道の駅の海鮮市場では、大晦日前の買い出し、食事客等で混んでいた。港では出入りの漁船の動き、ゆっくりと旋回する鳶の姿がなつかしく、かもめの鳴き声がしきりだった。
寒ブリなどが並ぶ。僕らは、地元食材を少し求めた。
岩坪温泉はコミュニテイ天然温泉でもあった。暮れの大掃除やおせち作りを終えた老若男女がゆったりした時間を過ごすには丁度良い小さな温泉であった。
早めにレンタカーを返し、夕刻は工芸クラフト展を見にいったりした。夜は地元の食材の店で、旬の山海食と地酒を楽しんだ。
天気予報は、西日本の大雪を伝えていたので翌日のフライトが心配であった。
31日は、夜来からの雪。午前に、地元のデパ地下で、カブラずしやかまぼこ、おせちの地元材を求めたりした。リムジンバスには用心のため1つ前の時間帯の便に乗った。ただし、富山空港は大丈夫であった。羽田も、新千歳も問題なく一安心であった。
31日夜遅くに帰宅。これで何もなければ、年末旅行の余韻に浸れるはずであった。
ところが、ドアの鍵を開けようとすると開いている。はて?中に入ると何かおかしい。空き巣泥棒に入られたのである。部屋のいくつかでキャビネットや引き出しが開けられており、錠がかかっていた部屋が開いていた。錠がこわされている。気持ち悪いこと大である。警察に連絡してみると、近くの交番だけでなく、近くの所轄署、さらには鑑識の警官の方々が来た。どうやら、隣の家とこの家の境にあったはしごを使って、2階の窓から侵入したらしい。(はしごは、翌日、隣の家の方に撤去していただいた)鑑識の最新機器で、靴跡や指紋をとる作業が行われた。
犯罪がらみなので、被害その他の詳細は省きたい。署員の方々が最終的に引き上げたのが深夜3時過ぎ。大変な正月明けであった。 まことに、戸締まり用心、火の用心である。
1日はそういうわけでめでたさや半分。
2日になって気を取り直して、今年1年の計を、1日、2日に来た賀状をにらみながら考えた次第である。
今年もよろしくお願いします。
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