以下は、僕の属するMLに書いたことに少し加筆したものです。(ですます調になっていますが、気にしないでください)
ちょっと気になることを書きます。
3.11から3週間を過ぎて、4月の新たな年度に入り、閣僚が防災服からスーツに替えたあたりから、なんだか妙な空気を感じます。政治家もメデイアも震災直後の危機感の中で言っていたことを、時間の経緯の中で、微妙に変え始めていることです。
そのひとつがNHK。
4月1日から、NHKのBSが再編されて、BSプレミアムとBS1の2チャンネルとなりました。視聴率をあまり気にせず、良質の番組を提供していたBS-HIがなくなり、妙なNHK的なプレミアムになってしまいました。(そのことはさしあたり、今日の問題ではないですが)
問題は、BS1(海外局ニュースがあるのが取り柄だが、NHK的編集がある。そして国内ニュースの多くは、NHK総合と同じ)での昨夜のニュース解説に、物知り顔の解説員いわく、下記のことでした。
なんとチェルノブイリ事故での原発よりも福島原発の方が安全で堅牢との解説をしているのです。それを見て.唖然。開いた口がふさがりません。
その前日は、総合テレビのニュース9で、長崎大学の放射線被曝研究(医学系)者に(福島県アドバイザーとのことだが)、チェルノブイイリでの調査や診察経験から、水や農作物の人体被害は、影響のないまったく大丈夫のものと長く話させていました(現地の関係者にも)
長崎大学、チェルノブイリという2つのキーワードをもつ学者が言うから大丈夫というメッセージでしょうか。しかし、聞きたいのは「今は安心」ということではなく、これが長く続くとどのような危険があるのかということです。その学者は、それには、触れていませんでした。
一体この国のメデイアはどうなっているのでしょう?
風評被害をふさぐとして、「安心神話」を説きつけ続けているNHKは犯罪ものです。
昨晩のアサヒニュースター番組(BS)で、慶応の金子教授と作家の中村うさぎが司会している番組のタイトルは「ニュースにだまされるな」でした。
(参考までに、金子勝のtwitterは下記参照。http://twitter.com/masaru_kaneko)
そこで、幾人かの科学者や情報関係の研究者の提起は、NHKなどの放送と真逆の、危険性の正確な理解のもとでの対応や方向性を論じるものでした。(しかし、この局の視聴者はNHKとは比べものにならないほど少数でありましょうが)
不思議なのは、そこで示されていた科学的データなどをなぜ大手メデイアは出さないのかということです。
国際原子力安全委員会と日本の原子力安全委員会の汚染地域の圏域マップは、新聞にも出ていないものでした。話の中では、
放射線物質が低位であって一時的に安全という確率と長期的な危険という確率はまったく同じで、どちらをいうかでまったく意味は異なる、放射線のDNA破壊の影響での癌発生の統計的必然性などのことは、科学者なら誰でも了解していることなのに、大手メデイアは、一般市民には言わないのはなぜでしょう。
僕たちのメデイアリテラシー能力については、もっともっと鍛えなくてはと思います。
なお、<御用学者・メデイア>+<東電・日立・石川島播磨重工・東芝などの原発企業>+<国・原子力推進行政>の三角形で結ばれる「原子力村」の存在については、昨日の朝日新聞で、前東大総長の小宮山氏も認め、国会での質疑では、菅首相が、共産党の志位委員長質問に答えて渋々認めていました。
この種の「原子力村」は、原発推進国には皆あるようです。(英仏米独など)しかし、それらを規制する行政は、米国においてすら日本より遙かに強力です。また、フランスや、ドイツには、力強い民衆の運動があります。しかし、日本では、「原子力村」の人々に遠慮してあるいは風圧を怖れて、あるいは資金断ちを怖れて、何も言ってこなかった人たち、とりわけ、メデイアと御用学者は、犯罪的です。そして、今度はまたもや、我々を虚偽報道の中に陥れようとしています。
日本には過去に「大本営発表」という大嘘つきの発表がありました。それは、すでに歴史のくずかごのはずだったのではないでしょうか。
僕たちは、現代の「大本営発表」に、またもや同じ手でだまされて良いでしょうか。しかも、誰も責任を取ろうとしないのが、この種の仕組みの特徴です。
何度もだまされて、
「津波と地震は、天災、同様に、地震・津波に誘発された原発事故は安全設計の「想定外」。これも「天災」だから起きたことはしようがない、企業と政府を責めるよりも、最後は「国民総責任」、痛みと負担を分かち合いましょう」云々と言われたら、どうしますか?
まさしく最悪です。(でもその方向に向けた、たくらみがほのみえてきているのです!)
「国民総責任」などと言わせてはならず、東電と政府の原発事故に責任をとらない解決はあり得ず、国には、事態の安全な終息に向かわせるための英知をあつめた解決責任があることを忘れさせてはならないからです。
ご免なさい。僕たちと未来の担い手たる子どもたちの最善の利益に関わることですので、つい、力が入ってしまったようです。
なお、医療にセカンドピニオンという考えがあるように、一つの事象を複眼的に見ることは、真実を知る上で不可欠なことです。
その一つに「原子力資料情報室」(http://cnic.jp)があります。
NHKとは異なる情報を発信し続けています。
<最新更新情報>
○なお、ニューヨークタイムズの報道(4月3日)では、汚染水が海中に放出されてそれを止められずにいる報道をしているが、同時に、すでに3月11日に福島第一原発内部で24歳と21歳の若い2人の労働者が死亡していたことを報道している。それを東電は発表してこなかった。日本のメデイアは報道せず、海外ニュースの方が早く正確であり、オープンであることの一つの例証である。
http://www.nytimes.com/2011/04/04/world/asia/04japan.html?_r=2&ref=global-home
○ジャーナリストから、今の報道管理・支配の状況を憂えている人たちがでてきている。非大手メデイアやネット世界はまだ、支配統制をくぐり抜ける力があるが、大手メデイアにおいては、真実報道に責任を負えない恐怖、あるいは批判的に発言すると排除されていく「空気」があるようだ。上杉隆の活動休止宣言は、(それが良いか悪いかの議論は別にあるとして)、そういう空気を代弁している。http://uesugitakashi.com/?p=658
p.s.
ここにきて、またもや大連立内閣の可能性が浮上してきているようです。
今の民主党連立政権+自公の組み合わせが言われています。
これまた、「挙国一致内閣」で国難に取り組むなどの名目が掲げられようとしています。
政治の世界は、虚実ないまざる世界。これも泡と消えてほしい話です。
しかし、実現すれば、東日本大震災解決などという重要な課題とは別に、ここぞとばかりの、どさくさにまぎれて、数の暴力による最悪の悪法や、政治方策シナリオが予想されて、ぞっとするのは僕だけでしょうか?
p.s.2
上記(本文骨格)を書いたら、Fさんから情報。ソフトバンクの社長が良いことを言っているとのこと。読むと玉石混淆で、ちょっとなあ?というのもあるが、原発問題に関しては、本当だ。原発事故の当該企業の責任者がもしもこれと同じことをいうならば、事態は少しは変わったのだろうが・・(甘いか?)
p.s.3
数日前から福島第一原発の写真にエアフォトサービスという提供社名(新潟県)
http://www.yamazaki-k.co.jp/airphoto/
が出てくるようになった。東電や、政府が情報を小出しにして、写真も統制しているので、新聞社は、このような無人小型飛行機の写真やアメリカなどから購入した写真を載せているらしいのだ。エアフォトサービスの写真は、それが鮮明でびっくりする。
http://cryptome.org/eyeball/daiichi-npp/daiichi-photos.htm
p.s.4
きちんとした情報を求めて図書館に寄った。原発・原子力コーナーが設けられていたが、最近の書籍は既に貸し出されているのか見当たらなかった。借りたのは、70-80年代、90年代のものだが、今問題とされていることは既に「想定内」であることが分かる。
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