8月30日に、京都佛教大学で開催された教育学会から戻ってまもなく,9月1日から、今度は、英国リーズ大学から研究者を迎え入れた。
J.ハイアム教授とDr.D.ヨーマン氏である。お二人とは、長年のリーズ大学の友人諸兄とのつきあいの中では、比較的新しい関係であるが、この数年幾度かリーズ大学を訪問した中で討議を行い、また研究上の意見交換を行ってきた。J.ハイアム教授は、副副学長の経歴もあり、研究業績はすぐれていることは無論、高等教育行政にも明るい。しかし包容力あり、茶目っ気もあり、時に英国的ジョーク(ユーモアというべきか)も連発する。
2005年調査訪問時の、ジェレミー・ハイアム教授とキースフォレスター博士。
Dr.D.ヨーマン氏は、穏やかな性格であり、研究上の丁寧なアドバイスや紹介をしていただいてきた。シェフィールドのフットボールチーム(2つのチームがあってそのどちらかは大事な点であるとクイズを出されているがまだチェックできていない!)ファンでもある。彼は、ハイアム教授と研究的パートナーシップを組み、英国(この場合はEnglandというべきだが)における、青年期の進路選択、とりわけ14-19歳問題に焦点をあてて、カリキュラム研究を行ってきており、政府の政策決定にも影響を持っている研究者グループの一人でもある。
同じく、2005年秋の調査訪問時でのデビド・ヨーマン博士。ちなみに、互いに呼び合うときは、ジェレミイ、デビッド、○○(僕の名前)と、互いにファーストネームで言うのが英国では通常だ。それは、教員同士だけでなく、学生、院生と教員との間でも、セミナーの参加者などでは普通だ。無論公式の場では、異なる。
今回の来日は、英国政府からの資金を得ての三カ年研究プロジェクトの最終年度でもあり、かつそれに関連しての僕の大学とリーズ大学との学術交流協定を背景に、ドイツ、日本と英国との比較研究に、リーズ大学からの追加的資金援助を得たことによる。高校の訪問調査(北海道では3校、東京で2校)と、僕の部局での公開セミナーや共同研究討議を行うことが目的である。
初日の9月1日は、空港へ迎えに行き、ホテルまで一緒に行った。その夜は、長旅もあり、行動はお二人に任せた。翌日に夕食のことを聞くと、近くの料理店に行ったが、お店と彼らの言葉が通じないことでの(彼らの名誉のために詳しくは書かないが)、不思議の国のアリス状態だったようだ。英国に帰ってからの話の素材提供にはなったようで、翌日お互いに大いに笑った。
そして、1週間のタイトな日程が始まった。毎日の高校訪問調査やセミナー、討議等々、現在進行形である。多くのエピソードや研究上の多くの刺激がもたらされている。内容上の成果や研究上の課題については、今週の日程を終えてから書こう。今は余裕がない。
問題は、例によって、この種の受け入れ実務の労力の大きさと実際に多くの時間を割いての事業推進で、夏に終えるはずだったいくつかの仕事(原稿書き)が滞っていることだ。前にも書いたが、国際的な交流とその推進には、時間と労力と根気と計画性が必要である。楽天性、体力、知力、肝臓力が不可欠である。・・こういうのを「人間力」と言うのかな?(ちょっと違うか)
しかし、この種の事情は、他者にはわかりにくい。言い訳することではない。この週末以降の最大努力を待ってほしいというのが偽らざる心境だ。一方では、貢献していると想いながら、他方では迷惑をかけていることの矛盾というか、ジレンマがある。不義理の部分は、罪悪感を感じている。どういうわけか、高倉健の古いCMコピーを想う。「男は黙って・・・ビール」と。不言実行たりたいものだ。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。