9月3日(金)
午前の予定がキャンセルになる。
そこで、担当責任になっている本の校正を午前いっぱい行い、半分ほどを終える。
昼食は、ホテル内の日本料理店。チャーシュー麺を注文する。醤油味であっさりしている。チャーシュ-は肉厚で良いが、麺はまるでソーメンだ。ラーメンの麺は難しいのかも知れない。
部屋に戻り作業を再開。電話があり、午後の当初予定も急遽相手の都合が悪くなりキャンセル。ともかく出かけて道を拓くしかない。
まずは、「モンゴル日本人材開発センター」に行き、連携強化部門の専門員のSさんに相談。同センター副センター長のモンゴル国立大学経済学部長のダバドルジ・ツセンダヴァさんに会うことになった。
ダバドルジ・ツセンダヴァさんは、滋賀大学に在外研修で留学され、学位を取得された。N先生が指導教員だったようだ。日本語は問題なく話される。内容の骨格は以下であった。
アクレデイテーションはモンゴル国立大学(NUM)では、問題なく通過しているので、経済経営分野の国際認証評価(アメリカの基準協会や、国際経済学協会)獲得の申請を行っていることなどの動きをお話いただいた。また、モンゴルの学術世界の狭さ故の適格評価委員会の第三者性の確保の難しさ、国基準におけるプログラム評価の工夫の必要などについて伺う。日本の現状についても関心を示され、意見交換も行った。
NUM経済学部創設者の功績を讃えるパネル。
モンゴル国立大学(NUM)メインビルデイング前のチョイバルサン像。モンゴルのスターリンとも呼ばれ、悪評高いが、独立を維持した面では、評価する人々もいて二面性があるようだ。引き倒されていないのは、そういう面からかも知れない。
次いで、アクレデイテーション委員会の推薦で、モンゴル国立大学情報工学部長のロドイラヴサイ・チョイマさんに会うことになった。出かけると、同学部長の他に、電気学科長のセリーター・ロドイサンバさん、それにこの八月に名古屋大学大学院を終えて学位を取り、帰国された若手の講師(名を失念した)も加わっての、会合となった。同学部は2002年に設立された、モンゴル国立大学の最も新しい学部であり、学部長のロドイラヴサイ・チョイマさんも30代前半の最年少の学部長である。ドイツの大学で学位を取り、帰国されたという。(Jさんによると新聞記事になったのだという)やや突然の訪問ヒアリングだったので、準備も双方になくご迷惑をおかけしたが、大変に和やかに協力的な雰囲気だった。ここでは、英語でのインタビューとなった。同学部設立経緯、プログラムの準備などに続き、新しい学部であり、理系であることからくる、施設設備等の予算不足、新たなプロジェクトを進めていく上での企業連携の現状、寄付金等の獲得についての苦労などを質問を通じて話して頂いた。モンゴルは、理系文系を問わず、大学の運営費の85%が学生の授業料等の収入からであり、研究的経費の獲得が最大の課題であると述べられていた。競争的資金への応募は、ここでも最大級の課題である。インタビュー終了後、同学部の施設、授業の各実験室、設備などを見学した。名古屋大学の博士課程を終えた若い講師のSさんには、日本での生活、日本とモンゴルの研究・教育上の違いなどを、施設を廻りながら伺った。
終了後、ホテルに戻り、7時過ぎに夕食に出かけた。ウランバートルで一番高い場所にあるレストラン(17階)でのフランス料理である。外国人や、この国の裕福な人々が来ている雰囲気ではあった。為替差があり、日本円に直すと高くはないのだが、現地では相当に高級な味と値段になる。窓からは、暮れゆくウランバートルの100万ドル(トウルグ?)の夜景が広がっていくのが見えた。
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