樹木にまだ葉はないが、樹間からのぞく青空には陽光が増してきた。気分だけは、春を一足早く待っている。
今週も会議が続いている。だが、それらの細かいことはここでは書かない。
3月10日、嬉しい判決が出た。
東京の日の丸訴訟での教職員167人処分取り消し判決(東京高裁、2011.3.10)である。
判決は、まだ全文を入手していないが、新聞等の報道では、下記のようだ。
判決内容は、職務命令の根拠となった都教委の「通達」に対して、憲法19条思想・良心の自由に対しての違憲、違法問題としては、最高裁判例(ピアノ訴訟、判決、2007)の枠組みを崩せていない「憲法に違反しない」という論理だが、しかし、そのことで、「懲戒処分まで科すのは社会通念上重すぎる。懲戒権の乱用」と判示したのだ。
この判決の背景には、教員の不起立行為は、職務怠慢などではなく信念に基づいた真摯な「やむにやまれぬ行動」であった、「起立しなくても式典は混乱しなかった、国旗国歌と皇国史観を結びつける国民は少なからず存在し教員らも立場を離れた一個人としては起立義務はない、等の理由を示したものである。
裁判官(大橋寛明裁判長)には、教育現場の努力や、教育条理を考慮した裁判官の良心と苦心の判断があったと見られるというのは、首肯できる。
全文を入手し、判読してみるつもりだが、一歩前進のニュースだ。
なお、2月19日の北海道弁護士会での僕の発言は、「ほっかい新報」に上下で掲載され、また労働法律旬報には、整理した内容を論考の形でまとめた。この間の道教委の服務規律調査、通報制度、日の丸・君が代問題について、憲法19条と教育の自由の関連について述べた。上記の東京の教職員問題にも関連する。次号に刊行される予定である。出たらお知らせしたい。
東京高裁判決を伝える新聞記事(朝日新聞、しんぶん赤旗)
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