12月3日 全英的に寒い。雪混じり。
前夜、鼻水や咳が少し出たので、医者にかかるのは外国では面倒だし、今回は短期滞在なのでNHS(National Health Service)の登録をしていない。自衛に限ると早めに寝た。幾度か眼がさめたが、寝てるのが大事と考え、睡眠を確保した。やや寝すぎか、首が痛い。
まあ、何とか大丈夫そうな体の反応で、いつものように起きて朝のルーテインを済ませ、大学に行く。
ジャスが印刷を済ませ、今日の準備は整っている。午前と午後は、多少違う仕事をして、1時間前ほどから、プレゼンの最終チェックを行う。予告は、以下のウエブサイトで既になされていて、24人の参加申し込みがされていた。(当日参加もあって、25-6人が最終参加者か?)
http://www.education.leeds.ac.uk/research/lifelong/oldseminars.php
タイトルは、Recent educational reform in Japan and the UK: a comparative perspective
とした。
英国の1944年教育法と1988年教育改革法、日本の1947年教育基本法と2006年改正教育基本法、の両国の教育改革の歴史的理論的な意味を比較検討し、そこにおける<戦後改革レジーム>の現代的意味合い、さらには近年の新国家主義+新自由主義の改革の様相を具体的に両国の実態に即して掘り下げ、そのロジック、現実動態、理論的運動的課題を、後半は全体に配慮しつつ生涯学習、高等教育に重点を置いて明確にするという意図である。
結果は、自分で言うのも変だが、成功したと思う。下手なジョークにも笑いがおきたり、飽きずに最後まで聴いてくださり、質問も多く出た。
質問時間では、英国での東アジア情報の少なさもあっての日本の文化や伝統と教育改革の関係、あるいは、新自由主義教育改革と日本のGDPにおける公教育投資の低さ(OECD加盟国で最低水準)とはどのような関係にあるか、また、愛国心や復古主義と新自由主義の関係、そして、日本の教育法の言葉の最終決定に至るときのプロセスやエピソードは何か、などそっれぞれに、良い質問を下さった。
終了直後、ミリアムは、リップサービスや社交辞令ではなくて本当に興味のある刺激的な内容で、共同本の執筆イメージにすごく有益なヒントをもらったとか、フィルは、教育法をこのように比較してとらえる思考は英国の教育学にはあまりなくて、しかもその視点や理論的枠組みに共通の課題も多く、考えさせられた。今日は上出来だったと言ってくれた。
終了後のコーヒーとビスケットの時間にも多くの方が質問してくださった。ジェレミーは、1944年教育法における学校改革で教会との関係がやはりバトラーは触れなかったことが、後の論点になった重要な点であること、1988年教育改革法とその前の1986年教育法の関係が重要な論点を含んでいるといった、今日の報告で時間との関係や焦点をしぼるためにやや触れなかった点を指摘していただいて嬉しかった。ローズ・キャロラインさんは、日本の現状について是非もう一度会って話がしたいとメールアドレスを尋ねてくださった。中国のリンさんも、中国の大学改革の状況と関連して刺激になったと言ってくださった。
この日は、友人や同僚のミリアム(Miriam.Zukas教授)、ヘザー(Heather Hodkinson: Senior Research Fellow)とフィル (Phil Hodkinson(名誉教授))ご夫妻、ジェレミー(Jeremy Higham教授) とデビッド(Principal Research Fellow Dr.David Yeoman)、などのほかに、
リーズ大学の東アジア研究部門Headで日本研究のローズ・キャロライン(Rose Caroline)教授やヨーク大学教育学部のクリス・キリアコー(Chris Kyriacou) 教授、リーズ大教育学部のマイケル・ウィルソン講師、ジーン・コンテ上級講師、中国の客員研究員のリン・ファン・シューさん、そして10人以上の若手研究員や大学院生がこれに加わっての参加だ。
雪もちらついてきたので、帰りはデービッドが車で送ってくださるという。ありがたい申し出で喜んでお受けした。
今後の日程は、残ったインタビューや自分の仕事、さらには本の執筆の具体化だ。クリスマス前には、細君がやってきてそれからは少しのんびりしよう。
夜間雪が降り出してきた。
12月4日 木
朝のシャワーを終えて、裏庭を見るとうっすらと雪化粧だ。スコットランド、北イングランドは雪だ。道路の渋滞や閉鎖、空港の離発着の遅れなどがニュースで流れていた。キースはアフリカ・ガンビア行きの飛行機にのれたのだろうか?
ただし、雪のせいか、バスの遅れはやはり起きていた。数台が通過してようやく乗れたが満員状態。これもひとつの旅の体験だ。
先生、風邪お大事に!
We are missing you !
投稿情報: 李、姜 | 2008年12 月 5日 (金) 18:36
李さん、姜さん
どうもありがとう。
あと20日余りで、帰国します。
早いなあ!
という感じです。
皆さんがんばってください。
I have been missed all of you since I
left Japan as well !?
投稿情報: 北の光 | 2008年12 月 6日 (土) 01:41