出張先でのニュース報道で、5月28日の鳩山首相の「日米共同声明」の記者会見を見た。
沖縄の米軍普天間基地の撤去移転問題である。
「コンクリートから人へ」のメッセージと普天間基地は国外へ、最低県外へと公約した首相の、政治的迷走の終着は、最低のシナリオで幕引きをしようとしている。
淡い幻想と期待を抱いた人々には、失望感が広がるであろう。
かつて大物右翼政治家(元首相)が、鳩山氏の発言を、たしか「ソフトクリーム」のようなものといったのは、この政治的迷走と、自らの言説の溶解ぶりを見ると、そうかも知れないと思わせるところがある。
社民党の福島党首が、日米共同声明の内容での閣議了解には署名せず、首相は、その福島大臣を罷免した。福島氏は、党内外の雑音に惑わず、信念を明確に表明した。潔い。
鳩山首相は、「批判を甘んじて受けても良い、米軍基地は沖縄(日本)から出て行ってほしい」とオバマ大統領に言っていたら、そして、アメリカ大統領にではなく、沖縄県民(日本国民)に、「trust me」と言い、それを実現していたら、彼は歴史に名を残す政治家になっていたであろう。
しかし、もともとそのような器ではなかったのだ。
首相の器ではない人物が、この間幾人も続いたが、「政権交代」のかけ声むなしく、鳩山氏もその後に続くことになった。
この問題での、コメントや分析は、今後多く出るであろう。それらは、その道の専門家にゆだねて、素人の論評は避けたいところだ。
ただし、これだけは言いたい。アメリカの傘の下で、核抑止力や海兵隊抑止力のまやかしのロジックに呪縛されて、日本国民の命を預け、多大な税金を米国に注ぎ続ける政治は、もういい加減止めにしようと。
このブログでは政治への直接的な言及は極力避けてきた。しかし、この問題では、一市民として声を出しておきたいと考えた。ご寛容いただきたい。
追記には、沖縄の民の声を代表する一つを載せた。その通りと思う。
下記は、傾聴して思いをはせたい声である。
辺野古浜通信
ヘリ基地反対協代表の安次富浩さんの談話。
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鳩山の裏切り(公約違反)に対して、絶望しない。
金持ちボンボンの鳩山に失望したけれど
わたしたちは、子どもたちのため、この海を守る夢があります。
埋立の代わりに、環境破壊しないという杭打ち提案は、
環境を知らない無知の戯言である。
徳之島は、琉球弧の兄弟島である。
琉球史を知らぬ官僚どもの提案は、断じて許せない。
徳之島は琉球圏内であり、県外ではない。
新たな闘いを徳之島の皆さんと沖縄県民、全国の人々とともに
立ち上がっていきます。
勝利は、主権者たるわたしたち住民の側にあり、
決して政治家の側にあるのではない
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