日々が駆け抜けていく。
この間、なし崩し的に東日本大震災関連の復興・復旧計画が中央の利権がらみで、地元の意向やニーズの頭越しに画策されている。復興税の度重なる報道、財源としての消費税増税キャンペーン(ほとんどすべてのマスメデイアの礼賛)、農業や漁業水産特区構想、などなどである。
政府の復興構想会議もその骨格には、中央による政策の適用という視点が強い。飯尾氏、御厨氏といった人々の構想とはこういうものであったのかと、今更ながらその御用学的性格を感じざるを得ない。19日の報道では、最終報告が出されるという。
http://www.cas.go.jp/jp/fukkou/kentou.html
加えて、避難を余儀なくされている方々の仮設住宅については、宮城県などは、大手住宅メーカーとしか契約を結ばず、それらの企業は、震災特需の様相を示しているという。ところが、そうした住宅は広い敷地に画一的な住戸の建設という発想に縛られて、東北海岸縁の平地の少ない、しかも浜ごとに小集落に分かれてきた事情を無視し、建設テンポが遅れているという。しかも、地域事情をよく知る地元の中小事業者は、仮設住宅契約から除外され無視されているなどというのは、理不尽もよいところだ。
あるいは、個別の住宅再建や事業再開のための公的災害補償問題については、その認定が厳しく、他方では、民間保険会社の対応は消極的という。(例えば、大手及び外資系生命保険会社の保険金支払い渋りを支えるかのように津波による自治体の住民書類流失を補う年金リストその他の公表控えがあると聞く)
原発の放射線・放射能遮断のための復旧作業は難航を極めている。ここにきても、情報の秘匿隠蔽、情報隠し、の体質は変わっていない。作業にあたる下請け作業員の方たちの危険な被爆実態が無視し得ないところまできている。福島の人々は、心理的には、息をするのもひそかに、深呼吸もできない状態だ。まるで、真綿で首をしめられているかのような、悲惨な状態を強いられている。
神経戦強いられる福島 2011.5.24毎日新聞をダウンロード
福島大学の12人の准教授の方々が、勇気をふるって福島県知事に要望の声をあげている。
20110606hukusimadai12youboushoをダウンロード
このような実態を察知するかのように、原発については、ドイツに次いで、イタリアでも投票において、原発ノーの声が圧倒的な様子を示した。
しかるに、日本の自民・民主を軸とした政治家には、イタリアの結果について「集団ヒステリー」であるかのようなコメントを言う向きもある。そこには、真摯な反省は見られない。それに悪乗りするように、財界、あるいは、原発を支えてきた電力業界、マスメデイア、学会の主流にも、ふたたび、本音が表明されはじめている。いわく、原発抜きにはエネルギーを確保できない、いわく、今回のような想定外「天災」を除けば原発は安全だ、などの声である。
大江健三郎の指摘(朝日新聞文化欄記事)ではないが、この国には責任をとるという文化がないのであろうか?
なお、別件ではあるが、新聞には小さくしか報道されなかったが、最高裁はみたび、君が代斉唱・起立の職務命令を合憲とした。(裁判長1人が反対の少数意見であったが)
日経新聞記事は下記。
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819695E3E6E2E1E18DE3E6E2E4E0E2E3E39191E3E2E2E2
北海道新聞社説は下記。君が代起立最高裁判決 道新社説2011.6.18をダウンロード
また沖縄の基地問題が再び、アメリカ主導で辺野古V字型基地への普天間基地拡散で動こうとしている。
これでは、あまりではないか。踏んだり蹴ったりも良いところである。民主主義社会を標榜するのであれば、もっともっと現場と、現地の声が尊重されていく社会でなければならないはずである。
小さくても良い。声をあげよう。
例によって備忘録。
6月6日(月)
午前は事務決裁その他、午後は全学の委員会。
夕刻には、プロバスケットボールクラブの北海道の再生に関しての関係者の方々の来室。熱意を持っての、今後に向けた、意向や方向を伺う。
6月7日(火)
午前は、名誉教授授与式とその後の懇親会。今年は、66名の方に授与された。僕は懇親会は、途中で次の授業があるので失礼した。
午後は、学部と院の共同講義、その後は留学生向けの英語の講義。
左は名誉教授授与式後の懇親会。
6月8日(水)
午前は大学院ゼミ、
午後は少し、研究仕事の時間をつくる。
夕刻は金曜の教授会に向けた事務打ち合わせ、終了後、帰途に歯医者に寄る。
6月9日(木)
朝9時から部局の中期計画会議。
その後、午前は、修論指導ゼミ。
午後は、留学生の研究指導、その後決裁案件。
さらに学部ゼミ。
終了後、翌日の教授会議案その他を再度確認しておく。
6月10日(金)
午後は、教授会。多くの審議事項、案件があったがなんとか終了。
夕刻、来室された同僚の方々と懇親に出る。
6月11日(土)
この日から、社会教育学会東北北海道集会。会場は、北海道教育大学函館校である。
初日は、地域再生に果たす社会教育の役割についての、北海道と東北の事例を踏まえた、問題提起であった。(木村純氏・北大。高橋満氏・東北大)
幾点かの質疑があり、僕も質問したりした。ここではそれらのことは書かない。
特別報告には、東日本大震災をどのように受け止め、社会教育は何が可能かの論議がなされた。(東北大・石井山氏、福島大・千葉氏、宮城学院大・佐藤氏他の報告と発言を受けて)
夕刻には、懇親会。その後は二次会であった。僕は、この間の疲労もあって、二次会は失礼した。
ホテルの部屋からは、箱館山やドックが遠望できた。
第二日は、自由研究発表。主として院生の報告が多かったが、それ以外にもいくつかの興味ある報告が続いた。午後の後半は、司会もした。
この日は、終了後幾人かの方々と急いで、五稜郭駅へ。何とか特急を1本早くして札幌に戻れた。
帰りの車窓。太平洋岸を進む。
これでようやく5週連続の週末出張に、1段落がついた。次週末は、移動なしで済む。
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