7月も半ばを過ぎた。この地の気温は今年は変動気味だ。やや小寒い日々が続く。一昨日は、大雪山系での遭難事故が大きく扱われていた。夏山事故では10人の死亡というのは最大級だ。遭難に遭ったのは、愛知、静岡、岡山、広島など本州の60代を中心とした高年齢の方々だ。愛知の犠牲者の住所にはなじみのあるものも多かった。今回のツアーは、新千歳空港までは各自で来て、それから合流するパーテイで、多分帰りの飛行機などの制約から日程の変更の余裕がなかったこと、多少の登山経験者を組織したことでの力の過信、ガイドに現地に不慣れのメンバーがあったこと、参加者の体力消耗を読み切れず、かつ天候判断を誤ったなど、複合的な要因が重なったことに原因があるようだ。寒さと疲労からくる低体温症によっての死亡というのはいたましい限りだ。楽しみな旅へ夫や妻、あるいは親を送り出して、間もなく、突然に悲報の知らせというのは、家族の方々にはつらいことだ。悲しみを思って余りある。
今回旅行を企画したAトラベルというのは、山登りや低山ハイキングなどを専門としている旅行社だ。実は、昨年に僕と家人はその旅行社の企画に応じて有珠山日帰り登山+洞爺湖温泉の旅を経験している。そのときは、天候に恵まれ、日頃の運動不足を解消し、温泉にも浸かった。快適な旅だった。僕の場合は、難易度や体力消耗度は素人が参加して問題がないプログラムだったが、中にはかなりの経験や装備を必要とする企画もあった。自然相手の場合、余裕が不可欠だ。とくに北海道の夏山は時には牙をむく手強い相手だ。
昨年夏の日韓シンポ後のイクスカーションでは、大雪山、旭岳ロープウエイ、お花畑を中心としたトレッキングというコースも検討されたが、天候具合やもしものことを考えて、それは避けた。結局、富良野のラベンダー畑、温泉コースで、楽しい日程を過ごしたが、今回のことを考えると、よほど余裕や準備などないと95%安心でも残りの5%の不安は避けられず、外国からのゲスト招待の場合や専門的なガイドがいない場合は避けるのが賢明なのだろうと思った。
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