先週末、7月3-5日(金、土、日)は、四国学院大学(香川県善通寺市)で開催された日本教育政策学会に参加してきた。新千歳空港からは直行便がなく、羽田で乗り継ぎ経由で高松空港へ行き、そこからバスで移動し、宿泊地は琴平であった。乗り継ぎ時間の余裕があまりなく、とくに帰路は高松への飛行機の到着が遅れたこともあり、羽田での移動はあわただしかった。香川へは久しぶりだ、かつて他の学会があったときに、当時名古屋にいたので、岡山まで出て、近くの港からのフェリー経由であった。学会終了後は、小豆島に立ち寄ってから帰路についたことを思い出した。今は、名古屋以西の地からの場合、新幹線で岡山に行きそこから鉄道移動で四国に行くのはずいぶんと楽になり、気軽な移動になったようだ。
札幌からだと初日のシンポに間に合うには、前泊が必要なので、そのようにした。宿泊場所とした琴平は、会場校の四国学院大学の所在する善通寺市の隣駅の町。全国的に金刀比羅宮参拝で有名な街だ。初詣や四月の金丸座(日本最古の歌舞伎小屋。天保6年建立。重文指定)の歌舞伎公演、など主要行事時は随分とにぎわい、また土日や連休時も混むようだが平日はいたって静かで人通りも少ない。のんびりした風情が漂う。
ホテル近くを流れる金倉川。水が濁っている。香川は、四国の中でも水事情が悪い県の一つだ。
金曜日夕刻の閑散とした中心街。
教育政策学会は、今年は「学力テスト体制と教員養成政策」を課題研究として二日目、午前の自由研究発表の後での午後のシンポを設定した。初日プログラムは、公開シンポジウム「教員養成課程政策と特別支援教育-その現状と課題」と総会、懇親会であった。
初日の公開シンポでの特別支援教育については、僕は専門外でもあるので、色々と啓発され視野が広がる面も多かった。ただし、英国の教育政策の背景にある社会政策、あるいはブレア政権の第三の道の把握視点や、特殊教育から特別支援教育への政策転換の意味する事柄については、報告者の視点とは違う感想と考えを抱いたが、シンポジスト3人の長時間の報告を聞いて疲労したことや、専門外の事柄では発言は控えるのが礼儀と考えて、質問紙に書くにとどめた。
総会では、直前に議長団の一人にされてしまい、とまどった。しかし、まあ無事に終了。学会懇親会は今回は遠慮して、MTさんと琴平に戻り-僕はJRで、彼はレンタサイクルであったが-さらに近くのK短大に数年前に就職した若いNさんに連絡して、一緒に酒食ということになった。夕刻からは雷雨になったが、丸亀からかけつけていただいたNさんは、元気な様子だった。MTさんと食事したホテル近くの和食店もなかなかに味も雰囲気も良かった。またNさんの推奨した近くの紅鶴という焼鳥屋さんも、年期の入ったレトロな感じの店模様で、長らく老夫婦で経営されている雰囲気や地酒の金陵という銘柄と地鶏の相性もよく、気持ちの良い夕べだった。Nさんのこの地での暮らしや、大学内外の見聞を聞いて、また多彩な話も広がって、三人のこの日の交流も乙なものであった。
翌日二日目は、朝方少しゆっくりした。ホテルが偶然同じであった東京M大学のMKさんとは、この日も朝食レストランでご一緒できた。ご指導されている千葉県N市の現職社会教育職員で大学院生のTさんの研究内容のことも話題になった。善通寺には、JRの本数が少ないので、隣駅ではあるが、この日は普通電車の時間間隔が空いたので、特急に乗った。普通料金以外に特急料金が20㎞以内は310円とのことで、タクシーに乗るよりは良しとして乗車した。
午前の自由研究発表は二室に分かれ、僕は幾人かの報告に関心があり、職場同僚のMTさんの報告を聞くことにもしたので、一つの部屋で移動せずに聞いた。質問も行った。昼食は、無論、讃岐うどん。大学近くの製造直売のレストランで、食した。たしかに多くの店が林立するせいもあるが、おいしい讃岐うどんは、地元で評判の店で、現地で食べるに限る。
午後のシンポは、「学力テスト体制と教員養成政策」で三人の報告者が登壇した。
浪本勝年(立正大)さんの歴史的な経緯とその総括的視点、中嶋哲彦(名大)さんの文科省の政策的文脈の変容と地域での受け止め、蔵原清人(工学院大)さんの学力テストのそのもつ虚偽性と批判における教育学的視点などが、その主要な内容であった。僕も質問を行った。詳しい内容紹介はしないが、それなりに受け止められるべき課題が多く確認されたシンポであった。
終了後、喫茶店で時間を過ごした後、正門前に予約した乗り合いシャトルタクシーで、他の会員の4人の方と一緒に空港に向かった。空港では、タクシーに同乗したMKさん、NTさんと軽く一杯した後、僕は東京へは、先の便であるのでその場を中座して、手続きを済ませ、搭乗した。遅れてであったが、バスで空港に着いたMTさんも同じ旅程だ。羽田乗り継ぎで、新千歳空港行きのゲートに行くと、霧のため引き返す可能性ありの事前情報付きのフライトであった。何とか無事に着陸できたのは幸いであった。この便は、乗客が多く、荷物を受け取るのに時間がかかった。遅くに着くこの時間帯は、JRの接続が悪く、札幌へは、快速ではなく普通列車であった。地下鉄乗り継ぎで、家に着いたのは、11時50分。さすがに、風呂を浴びて出てくるともうくたくたである。仕事モードは持続不能であった。
金刀比良宮参拝。
初日の午前中は時間が空いたので、ホテルが同じであったMK先生の薦めもあって、金刀比良宮(こんぴらさん)の石段を登ってみることにした。本宮までは、785段。その先の奥社(厳魂神社)までは、1368段である。ガイドパンフには、御本宮までの785段を上り、1段下がると786段(ナヤム)がとれるのだとか!?さて御利益はあったか。
土産品店の通りを抜けていく。
登りは余裕がない。汗をかきながら、ようやく神楽殿のある本宮までたどりつく。
この日はもやがかかっていたが、展望台まで出ると視野が広がる。
ここまでで汗だくだ。午後のプログラムも考えて奥社までは断念。下向することにする。
海難、水難の守り神としても知られ、全国各地からの関係者や個人の寄進がある。
帰路汗もかいたので、Sパーラーのカフェにてアイスコーヒーで、人心地着く。
カフェには客も多くなく、のんびりできた。少し休憩してからホテルに戻り、シャワーを浴びて、着替え、学会シンポ会場に向かったのだった。
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