昨日は、朝方に裏庭に撤収ができていなかったテントやBBQの機材類を、整理し元の状態に戻した。結構な作業で汗をかいた。
午前、午後の早い時間、仕事を家でしたあとに、大学に出る。院生の修論中間発表に向けた指導や別の社会人院生の紀要投稿に関しての推薦署名を行い、夕刻からは組合執行委員会。
組合の内部で資料を得たりすると、労働関係法規などの学習はイロハから学び直しだ。
とくに、法人化以降は、当局は一方で、人事院勧告など国家公務員時代の縛りを、いまだに押しつけてきながら、他方では民間的経営手法を強引に導入し、成果主義的勤務評定の試行的導入、職員の半数に及ぶほどの多種多様な非正規労働の拡大(短期短時間契約労働、派遣労働、請負労働等々)、そして正規職員には多様な競争をあおりたてるなど、まさしく二枚舌というか、二重基準で締め付けるやりかたが横行している。
大学人としての紳士協定すらも十分に守られていない場面が多くでている。民間企業のモラルハザードがそのまま、労使関係において使用者側から出されてくるとすれば、役員会のアカデミック出身者は、情けない限りだ。
本来そして実際に弱い立場に立たされやすい労働者側は、労働基準法、労働契約法などを働く側の立場から使える知識として血肉化することが不可欠になっている。雇用者側と働く個々人の労働契約、大学当局が定めた就業規則、労使間の労働協約について、レベルの高い労働協約にまで引き上げて行くには、ユニオン(組合)のパワーが不可欠だ。また、違法状態の放置は、雇用側にはとっては、アキレス腱であるので、それらが生じた場合や発覚した場合に限らず、未然にそういう事態にならないように外部社会にルールある働き方、職場にデイーセントワーク(人間的な労働)の確立を、など積極的にアピールしていく情報発信能力も欠かせない。僕は、そういうことを今は、それこそ初歩から学び直しだ。幸いにして、ベテランの執行委員の中には、こういう問題でのスペシャリストも多くおられるようだ。自らの無知を楽しみに変えて、今は、多くの知識を吸収しようとまるで、若者気分だ。
今日の朝日新聞の夕刊には、人事院は、国家公務員のボーナス(期末・勤勉手当)の12月分は、一般職で月給0.1-0.2ヶ月分の削減を内閣と国会に勧告するという。6月のボーナスは、すでに5月の人事院勧告で0.2ヶ月引き下げ(一部凍結の場合も)が出されており、年間にして0.3-0.4ヶ月引き下げとなり、99年度以降過去最大の下げ幅を提案している訳だ。国立大学法人は、これまで人事院勧告に抗議もせず、唯々諾々と引き下げ勧告を鵜呑みにしてきた経緯がある。そうした決定を行う、国立大学の役員会・理事者たちの処遇と、非正規労働者との年間所得格差は、今や8-9倍ほどになってきている。役員会・理事が人事院勧告に鈍感になる要因はこういうところにもあるのかも知れない。今や、民間企業には、賃下げの暴風雨が吹き荒れている。「社会情勢に応じて」として、人事院勧告が劣悪な状態に数字をあわせていくやりかたは、まことに情けない限りである。こうした事態が進展すれば、貧困化のスパイラルはいっそう加速されるだけである。ユニオンは、こういう事態に対して無力であってはならない。
考えてみれば、過去10年余の新自由主義政策は、これらとは真逆な、富裕層を生み出してもきた。大企業への減税、内部留保金の膨大な蓄積、不動産等の遺産相続の富裕層への手厚い配慮、企業の役員への法外な処遇、倒産する企業にしてもその役員に対して支払う退職金等々の額は、米国の事例では、オバマ大統領ですらその非常識さに是正をアピールしたと聞く。人間の尊厳や社会的公正に背くアンフェアな事態を、このまま見逃してよいものだろうか。
執行委員会の帰り道、夜道に輝くビル街の明かりを見つめながら、素朴に感じたのはこういうことだった。
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