先週末、土曜日は、大学院入試の総合判定、夕刻は、N大学とH大学の院生の研究交流の後での懇親会だった。N大からは、助教のIさんや、学生・院生四人、H大は、院生四人、教員三人であった。Iさんとは、久しぶりで、二次会にも行った。この日は、心地よい時間であったが、やや酔ったのか、翌日は二日酔い状態であった。体の疲労をとることや、この間の生活と心のズレを伴ったスピードを緩める意味もあって、一日なんとはなく過ごした。夕刻には、ゆっくり風呂に入った。
細君の元へ、一冊の画集が送付されてきた。彼女が、兵庫県にある全寮制の学校・IK学園で教員をしていた頃に接した生徒・須飼秀和氏の画集である。在学中に画家・椿野浩二氏と出会い、自分の道を発見したという。学園を卒業し、短大と大学で絵を学び、ライフワークを絵の世界に求め、今注目されている若手画家である。その作品集は、下記で求めることができる。(『いつか見た蒼い空』発行 シーズ・プラニング、発売 星雲社、2009)
「二十歳のころの夏、西日本をバイクでまわり、経験したことが僕の絵の原点になっていると思います」
須飼氏はそう書いている。
島田誠(ギャラリー島田)氏は、懐かしい風景を描く作家として谷内六郎(1921-1981)、原田泰治(1940ー)、そして現在では須飼秀和(1977-)の三氏をあげている。その中で、原田から37年遅れの須飼の画風をさして「その目線は、時代に遅れてきた青年のもので、澄み切った蒼い空が乾いた叙情を伝える」と評している。
(ちなみにギャラリー島田のHPに、須飼氏の作品が紹介されている。)http://www.gallery-shimada.com/artists/sugai/index.html
この小さな画集には、80枚の画が作品として収められている。5部構成で、1 蒼空へ続く風景 2 やわらかな情景 3 やさしい風に包まれて 4 帰りたい 5 いつか見た未来 である。
作品は、神戸新聞、毎日新聞、雑誌「西の旅」に連載され、二冊の岩波ジュニア新書のカバー画となっている。この画集は、個展としてもたれた「いつか見た蒼い空」須飼秀和展(2009年7月25日-8月23日、明石市立文化博物館)を記念した作品集でもある。
以前から、折りに触れて細君に送られてくる葉書(原画付き)の画を見ながら惹かれるものがあったが、今回の作品集で、その理由の一端が分かった気もした。細君には、特別の嬉しい思いや感慨があるだろう。僕は、須飼氏とは直接に話したことはなく、彼のことを細君から間接的に聞いているだけだが、画業がその人柄のようにゆっくり、静かに続いていくことを、離れたところで見守っていきたい。
私も書店で手にとってみます。
すてきな教え子さんですね。
投稿情報: mikemike | 2009年9 月14日 (月) 23:36
ありがとうございます。家人は、教え子の成長活躍が嬉しいようです。返信を出していました。こういう画集が、荒んだ時代だからこそ、少しでも人の心をほっとさせ、異次元に気持ちを運んでくれるのはいいですね。
投稿情報: 北の光 | 2009年9 月15日 (火) 14:42