研究室の窓から見える景色も晩秋の風情だ。来週には、初雪との気象予報がされている。
水曜日10月28日は、院ゼミや多様な整理仕事の後、夕刻は組合主催の成果主義評価についての第一弾の学習会であった。ねらいは、11月1日から実施される職員の成果主義的評価についての実際的かつ広い視野からの批判的かつ改革可能な視点や実践的方向を探ることにあった。僕は、会場を準備設定する役割がまずはあった。講師は、大学で行われるものと同じではないが、設計思想が同じで、既に成果主義査定評価が昨年から実施されている、高校現場からということで、高教組の書記次長のkさんにお越し頂いた。
詳しくは書かないが、
道教委は、まずは、学校職員評価制度を導入した。しかし、ユネスコの「教員の地位に関する勧告」や全教からのILO・ユネスコの専門委員会への訴えとそれに対する日本政府への勧告などもあり、北海道でも処遇とリンクさせない運動があって、当局も処遇と連動させないとの確約をした。従って、評価と処遇を結びつけないという歯止めがかかっており、実質的に形骸化させてきている。
しかし、道は、上記とはまったく矛盾する形で、評価と処遇をリンクさせる査定昇給制度(勤勉手当)を強引に2008年12月から実施してきた。
このことにより、職場の雰囲気が確実に悪くなり、かつその査定システム自身が矛盾に満ちたものであることも明白になってきた。Kさんは、このことを、制度導入の歴史的背景、実際の制度設計の仕組み、導入されることによって予想された問題点、実際に導入された後に、教職員に対してなされたアンケート結果によって、圧倒的多数の教員から不評と反対、学校運営や教職員の士気向上にまったく効果がないどころか、悪影響がでている制度であることを、具体的なアンケート回答の声をひろって紹介頂いた。
質疑では、大学での成果主義評価導入の当局の意図、その制度の仕組み、予想される構造的欠陥と問題点が幾人かの方々から報告され、かつ第一次の評価は、既に上部に上げられていることが報告された。被評定者が、制度設計にまったく参加せず、民間企業でも失敗を出したシステムを何故に、強引に導入するのか。試行期間でも多くの問題が指摘されたにもかかわらず、その評価もしない内に無理矢理導入する当局の姿勢、絶対評価と言いながら結果的には相対評価にせざるを得ない仕組み、パイは大きくせずに内部で低評価され減額される人々の原資を、高評価組に回すという矛盾、評価の公開の仕組みをもたず、かつ評価基準の解釈の曖昧さなど、高校での問題点同様の愚が生じることが予想され、そうした悪弊を繰り返させない取り組みを強めることで、大方の方の意見は一致したといえる。
組合の見解は下記である。僕も作成に尽力した。
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