先週末もあっという間に過ぎた。
4月16日(金)
午前は、H大学に発足する国際本部関連の新たな職種(研究職と国際活動支援関連業務を兼ねたような職)についての、内容検討の大学本部での会議。
午後、原稿書きの続きと、科研の今年の予算執行計画書を書いていると会議の時間。中期計画会議だ。終了後、夕刻、作業を切り上げて帰宅。夕食後、作業を再開するが眠い。仮眠をして、深夜から原稿書き。進まないところもあるが、明け方切り上げて、シャワーで気分を変える。
4月17日(土)
東京出張があり、ギリギリになるが何とか飛行機に間に合う。教育法学会での、民主党政権の教育政策及び新法案の総合的検討の準備ともなる研究会であった。桜美林大学の四谷キャンパスが会場。手前には、近畿大学の東京サテライト施設があった。こうした施設は、この10年でいたるところに見られる。
研究会では、扱われる対象が、首都圏ならではの情報の速さがあり、北海道とは情報デバイドがあるなといつも思う。首都圏及び三大都市圏の研究者は、各省庁や政権中枢の情報に近いせいもあって、政策や法案の背景がリアルタイムでつかめている。この間提出された民主党の法案などの検討は、若手を中心によく調べられており、僕にとっても示唆的であった。
個別の法案の分析は、専門から少しずれるので拝聴するのみだ。法の文言と解釈という面と、その法案の政策的分析とは、微妙に重なりながらも微妙に異なる。論議が分散的にならないための抑制はあったが、深める上での材料や時間は足りないようにも思えたが、それはいたしかたのないことか。
討議を聞いていて感じたのは、民主党のブレは、教育政策にも見られることだ。野党時代の新教育基本法案を、どのように扱うのかは今のところは不明だ。憲法改正問題と同じく、ペンデイングの模様だ。民主党のマニフェストや政策方針集でも、民主党は、野党時代の政策と、政権後の政策には大きな変化がある。また、代表の交代による変化もある。アカウンタビリテイ(政策変化説明責任)抜きの修正や変化、あるいは政策から外すなどの行為は、政策の透明性を考えるならば、批判されても致し方のないものだ。また、「教育条件整備」を「学習条件整備」に変えるとか、法的最低基準を、行政的指針に置き換えるとかは、政治に特有のトリックの一つであり、結局、国のナショナルミニマムや財政責任をあいまいにするものといえる。
民主党は、もう一方では、GDP比との関係で、公教育費を引き上げるとかのアドバルーンを上げたり(実現すれば、それは画期的だが・・)、子ども手当など現金給付的な施策での人気取りをねらうなど、メデイアを使っての世論誘導効果を強く意識していることが伺える。教育一括交付金構想なども聞こえてくる。
高校授業料を無償にする財源を、制度として国庫負担にするのかどうかは、政権内部や、民主党内でもいくつかの潮流があり、不透明な部分の一つである。しかし、鳴り物入りの行政刷新会議の事業仕分けのシナリオが結局は、財務省(主に主計局)によって最終的には握られていることなど、かつての旧自民党時代と変わらない面も目立つようになっている。小泉時代には、財界が直接口を出してくる経済財政諮問会議や財政制度等審議会が大きな役割を演じた。新政権では、経済財政諮問会議はその役割を終えたが、それに代わる新たな政策決定メカニズムの主導勢力は、財務省と見て良いのか、あるいは他にあるのか。このあたりも、分析の必要なところだ。
その意味では、このところ、いたるところで名前が出てくる鈴木寛文部科学副大臣などの役割解明も重要なようだ。
いずれにしても、民主党の教育政策には、政策タームの文言を変えたり、法の名称を変えることでの実質的な法改正に近いことを行うという動きと法案提出の両にらみであることだ。気になるところだ。(追記に法案名称を掲示しておく)
なお、地方制度審議会の答申などと民主党の教育政策がいかにクロスオーバーするのかも関心のあるところだが、この日の分析ではあまり問題とされなかった。
なお、昨日の研究会は、5月30日の研究大会に向けての準備会にもなっていた。教育法学会のHPも開設された。下記を参照されたい。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jela/index.html
研究会終了後、懇親会が予定されたが、当方は、その日の夜に息子との約束もあり失礼した。なお、久しぶりに旧友のI君と会った。少し、体調が回復してきたとのこと。何よりである。彼もHPを開設したとのこと。下記を参照されたい。
http://mailsrv.nara-edu.ac.jp/~ibuka/
4月18日(日)
この日、予定していたもう一つの研究会が流れたので、ホテルの朝食後、パソコンに向かい少し仕事。遅めのチェックアウト後、早めに帰ることにする。帰路途中、浜松町近くの芝公園恩賜公園を散策する。ソメイヨシノは散っていたが、サトヤマザクラやツツジ、ムラサキシオンなどの花々ですこし心が癒された。
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