5月連休に入った。ETC装着車への高速道路割引一律1000円効果なのか、連休ということもあって各地への車の動きが加速しているようだ。報道によれば、渋滞が本州では最大66キロメートルに及んだという。かつて名古屋や埼玉にいたときは、連休時の交通渋滞をいかに避けるかに頭を悩ましたことを思い出す。それでも、折々の機会に、子どもを連れての旅は、それなりに楽しかったものだ。
しかし、子どもも大人になり、そういう機会がなくなり、仕事に追われて心の余裕がなくなると、混雑時に外に出かけるのがついおっくうになってしまった。こういうときは、もしも出かけるとすれば、人の動きと逆の方面に向かうか、合間を縫っていくのが賢明だ。いくらか、この地に住んで体験を重ね、それに合わせて見聞も広がると、5月の連休時は、北海道では、桜前線の上陸と共に南の函館、松前、桧山方面、あるいは静内などの方面に向かう流れが増すようである。僕の場合、数年前は、函館五稜郭公園、湯ノ山温泉コース、一昨年は大沼公園でのペンションと森町コースのマイカー移動の旅、昨年は、4月末に低山ツアーガイド付きの有珠山登山を行い、5月連休時は、名古屋回りでの鄙びた伊豆湯河原温泉方面の旅のあとに上野でのダーウイン展に出かけた。
今年は、少し気が引けたが例年出かける憲法記念の行事は失礼して、この時期には人が余り行かない最北の離島(北方4島が返還されていないので)とされる利尻・礼文の両島への二泊三日の旅に出てみた。これまで、道内の各地には、ほぼ網羅するようにそれなりに行っているが、離島にはまだ出かけていなかったので、この際思い切って行ってみようという訳である。利尻島には、アクセスの良さを考えれば、空からのアクセスが新千歳空港からもあるが、礼文には、今はない。今回は、道内からの出発であれば、稚内からのフェリーでの旅も良いかとそのようなツアーに参加してみた。
あえて事前の知識は入れず、ある意味で素朴に感じたままに旅しよう。仕事の山が目の前にあるが、そういうことは今回は横に置いておいて、そして珍しくノートPCも本も論文も持たずに、頭を休めることにしよう。そういう気持ちで旅に臨んだ。それは、恐らくは、心のリフレッシュに通じるに違いないという気持ちからである。
初日は、日本海のオロロン海岸・羽幌を通って、ノシャップ岬へ出て、稚内港からフェリー乗船。外洋の波を体験し、その後利尻に上陸し、宿へ。翌日は、島一周巡りの旅の後、礼文にフェリーで移動し、やはり礼文島一周の旅、その日の宿は礼文。三日目にフェリーで稚内に戻り、宗谷岬、猿払-浜頓別-美深から名寄を経て高速道路で札幌に戻る旅である。
上は小平の鰊御殿の保存建物。下は、羽幌オロロン食堂前の簡易干し魚製造風景。
初日はここまで。この日の宿は、天然温泉付き。ウニと昆布、海鮮ものが多い夕食に地酒は利尻では造れないので、旭川の高砂酒造産、ラベルは利尻ブランドのものを所望する。
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